プティフールD 1,728円(税込)
2020年が始まってまだ間もないですが、間違いなく1年後に振り返ってもトップ10に入るであろう素晴らしい小説を読みました。それが、辻村深月さんの『東京會舘と私』です。
東京會舘の歴史をそこに集う様々な人々を通して感じることが出来る作品。あまりに素晴らしくて、一気に読み終えた時、居ても立ってもいられず、東京會舘へ向かっていました。
プティフールは東京會舘のフランス料理のデザートを作る技術を凝縮したもの、なのです。このプティフール誕生秘話も『東京會舘と私』の中に入っています。
このDタイプは、ガトーアナナ4個とソフトクッキー6個の合わせて10個入りです。
こちらが、ガトーアナナ。
パイナップル入りのパウンドケーキにチョコレートを飾った半生ケーキ。
見たところ、特別な感じはしないのですが、実はものすごいこだわりが詰まっています。
本の中にはこう書いてあります。
ガトーアナナのパイナップルは、ゆっくり、一週間から十日ほどの時間をかけて煮込まれる。毎日、朝夕、熱いシロップをかけて、じっくりと熱して冷まして、という工程を繰り返す。そうして出来上がるのが琥珀色のアナナだ。きれいな黄金色のパイナップルは、このオリジナルの煮方を経て、繊維が溶けるほどになる。
この方法は今でも受け継がれているみたい。ひとつひとつ手作りで作られるガトーアナナは、とても優しくて上品なお味。
このソフトクッキーは、昭和31年に誕生した第一号のプティフール。当時東京會舘で提供されていたクッキーと同じように食感をとにかく大事にしたもの。
中にはプラリネクリームが入っています。このクリームは、アーモンドをカラメリゼしてから、細かく砕くというかなり手の込んだもの。
そしてこの絶妙な口どけのクッキーにするために、持ち帰り用のお菓子だからと言って一切の妥協をせずに作られているというから驚きです。
確かにサクっとしているのに、口の中でほどけてとろけるようになる。
焼き菓子なのに製造日から10日しか賞味期限がない。日持ちしないけれど、それだってこだわりのひとつなのです。
大正、昭和、平成、令和と4つの時代を生き抜き、東京の移り変わりを全て受け止めてきた東京會舘。レストランで食事を出来なくても、その優しさ、気遣い、伝統、全て感じられるプティフール。
これから先の時代にもずっと受け継いでいってほしいです。
✔️東京會舘 丸の内本舘
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